1.契約書の基礎知識
契約書が何か、どのような法的効力を持つのか解説します。
1-A. 契約書とは何か
契約書は、2人以上の当事者間の約束を書面に記録したものです。
商品の売買、サービスの提供、財産の貸出、就労条件等、様々な事柄・事項を具体化し、
契約の当事者名・契約の期間・契約内容・署名等を書き記し、法的に守ります。
1-B. 契約書が持つ法的効力
契約書に記載された事項は法的に守られ、もし契約が違反された場合、被害者は裁判所に訴えることができます。
法的保護があるため、契約書は非常に重要な文書であり、適切に保管する必要があります。
1-C. 一般的な契約書の例
日常生活でよく見かける契約書の例をいくつか紹介します。
●賃貸契約書
不動産賃貸に関する契約。賃料・契約期間・解約条件等が記載されています。
●雇用契約書
労働者と雇用者間の契約。給与・勤務時間・休暇・就労条件等が記載されています。
●サービス提供契約書
特定のサービスの提供に関する契約。サービス内容・費用・サービス期間等が記載されています。
2.紙契約書の保管について
適切な保管方法で、契約書が損なわれることを防ぎ、必要な時にすぐに取り出せるようにするのがベター。
紙契約書を保管する場合、保管場所や整理法を考慮します。
2-A. 保管場所の選び方(湿度・温度・安全性)
湿度が高すぎると紙が湿気を吸収し、文字がにじむ可能性があり、
温度が高すぎると紙が乾燥して劣化しやすくなります。
そのため、安定した温度と湿度を保つことができる場所が最適です。
また、防災や防犯対策も重要な要素で、安全・安心な設備が整った場所を選びましょう。
2-B. 整理法:ラベリングと分類
契約書を整理する際は、ラベリングと分類が重要です。
ラベリングにより、必要な契約書をすぐに見つけ出すことができます。
契約書の種類・契約相手・契約日等を基に分類し、それぞれを適切にラベリングし、
頻繁に参照する契約書は手前に、そうでないものは奥に保管するなど、
取り出しやすさ・見つけやすさも考慮しましょう。
2-C. 一般的な契約書・重要書類の保管期間
契約書の保管期間はその内容によりますが、一般的には契約が終了した後も一定期間保管すべきです。
例えば、賃貸契約や労働契約等は、契約終了後もトラブルが発生する可能性があるので、そのための証拠として保管します。
具体的な保管期間は法律や規定によりますが、一部の契約書・重要書類には法的に決められた保管期間があります。
また、会社の内部規定や業界の慣習により、保管期間が決められているものがあり、
保管期間が定められていない場合でも、契約の有効期間+数年は保管することが一般的で、
可能な限り詳細に記録をつけ、保管期限を明確にしておくことが大切です。
3.電子契約書の保管について
近年、紙ベースの契約書からデジタルフォーマットへの移行が進んでいます。
電子契約書・デジタルの契約書も適切な管理と保管を怠らないように。
3-A. 電子保管のメリットと注意点
電子保管・デジタル保管はスペースの節約、アクセスの容易さ、検索の利便性で多くのメリットがあります。
適切な方法で安全にデータを保管し、セキュリティを確保することのほか、
ハッキングや誤削除、データ損失等のリスクに注意と対策が必要です。
3-B. ファイルの名前付けや分類法
電子契約書を整理するためには、ファイル名の付け方と一貫したフォルダ構造をルール化。
具体的には、契約の種類・日付・関連する相手の名前を含む詳細なファイル名をつけること。
また、一貫したフォルダ構造は契約書の検索と管理をわかりやすく、簡単にします。
3-C. データのバックアップ
具体的なバックアップの頻度は、契約書の量や重要性によるため、一概には言えませんが、
定期的に、最低でも月1回はバックアップを取ること。
更に安全にデータを確保するために、バックアップデータ自体も複数の場所に保存するのが良いでしょう。
3-D. データ保護
電子契約書の保管方法には特別な注意が必要で、
ファイルやフォルダのパスワード設定、暗号化、セキュリティソフトの使用等、
データ保護のための方法は多くあり、特に重要な契約書については、
複数認証・多要素認証の導入も検討するのが良いです。
日常から不審なメールやウェブサイトからのダウンロードには十分注意し、
定期的にウイルスチェックを行うことで、ハッキングからデータを守ることができます。
4.契約書の破棄方法
契約書の保管とともに、不要になった契約書の適切な破棄も重要な作業となります。
保管すべきでない過去の契約書、期限切れ契約書が適切に破棄することで、個人情報が漏洩するリスクを防ぎます。
4-A. 契約書を安全に破棄する理由
契約書には個人情報や企業情報が記載されていることが多いため、これらの情報が第三者の手に渡らないよう、
不要な契約書はすぐに捨てるだけでなく、適切に破棄する必要があります。
4-B. 紙契約書の破棄方法
紙契約書の破棄は、シュレッダーで細かく裁断することが一般的で、
特にクロスカットシュレッダーを使用すると、裁断した紙が再構成されるのを防ぐことができます。
SRIは、紙契約書・重要書類を破砕処理した後、溶解処理〜再利用・リサイクルする取り組みを行っています。
4-C. 電子契約書の削除方法
電子契約書の破棄は少し複雑で、ファイルをゴミ箱に移動し消去しても
データはまだコンピュータのハードドライブ上に残っています。
専門のソフトウェアを使用してデータを完全に消去し、復元不可能にする必要があります。
契約書の保管と破棄の重要性を理解し、適切な方法で契約書管理を行うことにより、
業務効率の向上やコスト削減、
企業間・社内での契約トラブルやリスク回避が可能となります。
契約書管理や文書管理のDX化を目指すのであれば、
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